無関心

鬱病の人ってやっぱり自分の事だけで精一杯なのでしょうか?
息子が不登校になった事に関し私にも息子にも何も言わず、平然としているその態度。息子の事が心配ではないのだろうか?不登校になったのはあなたのせいでしょうと喉まで出かかるのをのみこんで、私は黙っていましたが、心の中は疑問と怒りで一杯でした。

一般的に鬱病の回復のためには家族の理解や会社の理解が必要とかなんとか言われるけど、理解って何?何でも許せって事?鬱病の人は何をしても許されるの?そもそも鬱病診断だって怪しいもんです。会社に行きたくない、やる気が出ない、趣味だった事も楽しめない、だるくて起き上がれないだの、誰にだってあるでしょう、そんな事。眠れない夜だって誰にでもあります。それを一枚の問診票で判定し鬱病と診断するその曖昧さ、短略さはどうかと思います。最近義務付けられたストレスチェックテストだって、それを社員にテストすることによってこの人はヤバイとわかったら、どうするんですか?すぐ病院へ送り込んで投薬を開始してその後は会社はちゃんとケアをしてくれますか?周りからは鬱病のレッテルを貼られ、投薬によって余計に具合が悪くなったとしても病気のせいだと思わされる。鬱病と診断されたら休職だって免れず、休職期間が終われば退職に追い込まれる。
私は専門家ではないし、病気については素人だからわからないけど、鬱病によく効く薬は周囲からの愛なんだと思っています。変でしょうか?夫が鬱病になってからというものずっと夫への愛情が試されている気がしてなりません。(多分私が夫に対し愛情を持って接すればもっと早く良くなるのでしょう。出来ていないから夫は良くならないのかもしれませんけどね。) ストレスチェックだのやる前に、鬱病人を生み出さない為には会社の人間達も普段からもっと人情味を持って人と接するべきです。業績ばかりを重視し失敗すればこき下ろし、自分らは偉くなる事だけを考え部下の気持ちなんて考えない。そういう身勝手さが会社人間の人たちを鬱病に追いこむ元凶なのだと思っています。

話がそれちゃいました。夫に対しこれほど疑問と怒りを感じるということは、やはり鬱病への理解が足りないということなのでしょうか。
夫の家族に対する無関心。夫は不登校になった息子とは5年近くの間ほとんど口をきいていません。以前は仲良しだったのに。どうしてそこまで黙っていられるのか?本当に何を考えているんだろうか?何も考えられないにしても、ひどすぎる。もう少し子供達の気持ちだって汲んでもらいたい。同じ思いが頭のなかをぐるぐると巡るだけでした。
  
結局私も鬱病の人を究極には理解できません。夫が家族に対し無関心ならば、私も夫に対し無関心でいよう。最近はそんな生活になってしまっています。こうやって家族の崩壊が始まるのかもしれないですね.....。

回復の兆し

2013年7月。

大学病院でも門前払いされ、抗うつ薬も飲まない状態で、相変わらず髭も髪の毛も伸び放題。あまりにも動かず手に負えないので、なんとかしようと夫の妹に手伝って貰うことにしました。夫の妹は遠くにおり、新幹線と在来線を使って1時間ほどの所に家族で住んでいます。仕事と育児の合間に来てくれて、2人で夫を説得し、ようやく病院に連れて行きました。
そして、薬を服用し始めて2週間ほどした頃。仕事から帰ってきた私になんと「お帰りなさい」と言ったのです!初めてでした。断薬期間が長かったせいかやけに薬の効果が感じられます。そして散髪と髭剃りもクリア。
そしてなんと8月には、次男と私と夫の三人で電車に乗って日帰り旅行までできたのです。その後も順調に快復してきて、9月には人事部と面談。 「大分良くなっていますね」との話で私もようやくほっと一息つけそうでした。
ところが10月に入ると、また急降下。動かなくなり、寝たきり状態が始まりました。そして後になって知ったのですが、この頃から今度は長男の不登校が始まっていました‥。

12月。医師からはいよいよ復職OKの診断が出ました。当人の夫は寝てばかり。本当に大丈夫なのだろうか?疑問と心配が膨らみます。案の定、人事部との面談にも出られず、寝たきりのまま年越しを迎えました。

電気療法

そして1ヶ月後の2013年6月。

あまりにも回復の兆しのない夫。髭は剃らず、髪の毛も切らず、〇〇みたいな汚い姿。業を煮やした私は、電気けいれん療法はどうかと思い、電気けいれん療法を行っている大学病院に連れて行きました。
 
電気けいれん療法
電気けいれん療法(でんきけいれんりょうほう、電気痙攣療法)は、頭部(両前頭葉上の皮膚に電極をあてる)に通電することで人為的にけいれん発作を誘発する治療法である[1][2]。ECT(electroconvulsive therapy)、電撃療法(electroshock theraphy: EST)、電気ショック療法(ES)[3]とも言う。(ウィキペディア
 
 この治療法は、重症で抗うつ薬が効かない場合や自殺の危険性が高い場合などに行われ、きわめて高い効果が期待できる治療法であると言われていますが、行う医療機関は限られていて、被治療者も限られるとのこと。担当医には、「この人は対象にはならないよ」と言われたのですが、藁にもすがる思いで大学病院へ行きました。
 
対応したのは若い先生でした。一通り今までの経過など話をした後、結論はやっぱり「重い鬱でもないですね。普通は重度の鬱病の場合、会話もできません。この方はお話もしっかりされるし、必要ないでしょう。」やっとの思いで連れて行ったのに門前払いでした。
 
私の頭の中は???で一杯でした。なんでもないってどういうこと?病気じゃないって何?本人の意識の問題?病気じゃなくてこの状態って、なんで?答えが出ない問題をグルグルずーっと考えていました。病ならかわいそうって思えるし、病じゃなくて本人のヤル気の問題となれば、私の夫を見る目は正反対となってしまう。どこに問題があるのか、犯人探しをずーっと続けているようでした。そして夫への愛情もいつしかなくなっていきました。